【BVE Trainsim】5.8(最新版)への移行について

2021.03.04 初版
2021.04.01 一部改定
2021.08.05 一部更新

BVE Trainsim5.8がリリースされて暫く経ちます。
が、プレイヤー側への恩恵が薄いためか、イマイチ最新版の導入が進んでいないように思えます。

先に結論から書くと、
特別な理由が無い限り、今すぐ最新版(5.8)をインストールしましょうというお話です。

5.8用のデータで問題が起きる場面

作者側で動作環境を5.8を指定している(=5.7以下を対象外としている)データを、5.7以前で読み込もうとして起きる問題として、下記の問題が発生する場合があります。

【路線】メモリ不足に陥る可能性

5.7から5.8のアップデートに伴い、メモリを使用できる領域が以前の倍近くまで拡張されました。
このため、メモリを多量使用している路線では5.7で路線自体のロードが出来ても、車両パネルや音声の欠落等の不具合が発生する可能性があります。

また、路線自体のメモリ使用量は問題がなくても、車両データ側でメモリを多量に使用する場合は同様の問題が発生する場合があります。(これは5.8においても同様)

ただしこの問題は、5.7以下でも非公式に4GBパッチを適用すると同等の機能が得られるため大きな問題になることは少ないです。

【路線】同じ種類のリストファイルを複数読込している路線データを読み込めない

5.7では、ストラクチャ・音声ファイル等を2回以上定義している路線データは正常に読み込むことが出来ません。
5.8では問題なく読み込むことが可能です。

※2021/04/01追記:5.8でもストラクチャリストファイルの複数読込には対応してませんでした。お詫びして訂正します。

なお、現在このような読込形式を取っているデータは、弊サイトで公開している「城東急行電鉄」の一部シナリオデータのみとなっています。

【車両】5.8用に制作された車両は5.7(以下)では読み込む事が出来ない

具体的には、車両定義ファイル*1で「BveTs Vehicle 2.00」と定義されている車両データは5.7では(基本的に)読み込むことが出来ません
(※厳密にはこれは少し誤りなのですが、便宜上このように表現させて下さい)

これは最新版で車両定義ファイルにおけるATSプラグインの指定方法が変更になった事が原因です。
(32bitと64bitのプラグインを別々に定義するようになりました。)

従来の方法で定義されたデータ*2は、自動的に32bitプラグインとして読み取る為、5.8でも問題なくプレイが可能です。

しかし、新しい方法で定義されたデータを5.7(旧版)で読み込もうとした場合、ATSプラグインが読み取れず、BVE本体側で処理が出来なくなり読込が止まってしまいます。

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▲5.8用車両データを5.7で読み込んだ場合に出るエラー例

この不具合を解消して5.7で読み込むには、定義ファイルの書換が必要です。
ですが、5.8にすれば解消する(どちらの定義で書かれたデータも読み込むことができる)ので基本的には非推奨となります。

最終更新日(2021/08/15)現在、下記の車両データは5.7での読込に非対応となっています。
※ここに書いていない物も、複巻電動機。様で公開されているMotorMasterプラグイン(MotorMaster.dll)を使用しているアドオンは原則的に5.8以外*3では動作しません。

 

導入している本体のバージョンを確認する方法

前項で発生する問題を回避するためにも、最新版(5.8)の導入が強く推奨されます。

導入している本体のバージョンがわからない場合は、下記の方法で確認することができます。

1.BVEを起動したらシナリオ選択画面を閉じて、なにもない所で左クリック→「Bve trainsim について…」を選択

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2.出てきたダイアログを確認し、Versionの後の数値を確認する
5.7.~:BVE Trainsim 5.7(旧版)
5.8.~:BVE Trainsim 5.8(最新版)

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前者の場合はアップデートが必要です。

5.8になって変更された要素

公式で発表されている主な新機能は下記の通りです。

  • LARGEADDRESSAWARE*8の適用
    →これにより、従来4GBパッチを適用しないと遊べないor厳しい路線が改造なしで遊べるようになった
  • BVE Trainsim 5 と 6 で共用できる新しいシナリオに対応
    ※ATSプラグイン定義方法の変更
  • 垂直でない運転台計器の描画に対応

また、新機能では有りませんが変更された要素に下記のものがあります。

  • シナリオファイルで車両データが読み取れない場合、シナリオ選択画面に表示されないように変更
    ユーザー的にはこの部分が大きな変更点となるので、表示されない場合は車両パス(Vehicle = )が正しいかどうかを確認すること
    ※車両定義でランダム定義を使用している場合*9は、指定されている車両が全て揃って無い(=一つでも欠けている)場合、シナリオ選択画面に表示されなくなるので注意
  • 上記含む、各種定義の厳格化
    シナリオファイル:ファイル不足がある場合にシナリオ選択画面に表示されない(=運転できない)ように変更
    車両ファイル:レイヤー定義の厳格化*10
  • サウンドリストファイルでのリストファイル複数読み込みに対応
    ※定義内での重複に注意すること
     同じファイルを複数回読み込むこともできるが、その分メモリ使用量が増えてしまう
    ※ストラクチャリストファイルの複数読込はできません
 

*1:Vehicleで指定しているファイル

*2:ats=(ATSPIのパス)で定義されているデータ

*3:BVE6を含む

*4:PI自体は32bit/どちらもMotorMaster.dll非読込用の定義ファイル有

*5:E127系383系・E257系・211系

*6:PI自体は32bit・付属のMotorMaster.dllがWin10/BVE5.8専用

*7:公開日時点ではBVE6専用

*8:所謂4GBパッチ

*9:ex.中野かずさ様の総武・成田線/なないろクロシェット様京急・都営浅草・京成線などの一部シナリオ

*10:レイヤー定義がない定義は読み込まれなくなった・マイナスレイヤーが使用できなくなった