【IIDX】beatmania IIDXの筐体について

当記事はブロマガ時代に書いた記事をベースに大幅に加筆修正したものになります。
個人の主観を含んだ記事となりますのでご注意下さい。

2020.02.15 初版

beatmania IIDXの筐体ついて

初めに

●当記事では筐体の製造時期における基板の違いについて掲載しています。

●筐体の大まかな判別法は各筐体における「外見上の特徴」に記述していますが、筐体の状況により必ずしも一致しない場合があるため、確実に判別するなら筐体裏(横)にある型番を見る事が必須になります。

●各項にメインの搭載基板を明記していますが、これらはSINOBUZまでに搭載されていた基板の種類となり、現行機種(CANNON BALLERS(以下CB)以降)ではBIO2 I/Oに統一されています。

●現在使用しているメイン基板に関しては、上述の通り(LIGHTNING MODELを除き)全筐体で共通の基板を使用しており、筐体差は限りなく小さいものになっています。
稀に初代筐体におけるハーネスの取り付け漏れ、またはtricoro筐体以前において旧式スクラッチセンサーを使用していることに起因するスクラッチの反応不良が発生する場合がありますが、現環境(HEROIC VERSE)においては原則的に液晶以外の筐体判別を行う必要性は薄い事を明記しておきます。

種類について

大まかに分類すると下記の8通りとなります。

  • 初代
  • 10th
  • GOLD
  • Resort Anthem
  • tricoro
  • SPADA
  • copula
  • LIGHTNING MODEL

この内、LIGHTNING MODEL(以下LM)はフルモデルチェンジに伴い構造が大きく変わっていることと、例によって別記事に解説を載せているので、当記事では解説致しません。

初代筐体

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▲扉が白色の初代筐体(CB液晶) 最も年季が入っている筐体となる

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▲コンパネ部アイコンの年号表記 初代筐体のみ1999となっている(赤丸部分)

製造時期:1st~9th(1999年~2003年)
型番

GQ863-JA:1st
GQ983-JA:Substream
GQ985-JA:2nd
GQ992-JA:3rd(以降)

搭載基板:Twinkle(8thまで)→C02
外見上の特徴:筐体下部にある扉の色が白色・コンパネにあるアイコンの右上にある年数表記*1が1999

9thまでに生産された筐体が初代筐体になります。
9thの稼働時期が2003年というのを考えると新しいものでも17年近く長いものだと21年目に突入している非常に古い筐体となっております。

この筐体に限り、クラッチ信号が基板に直接入力できない構造になっています。
このためサブ基板を通して信号が送られていますが、これが原因でクラッチのレスポンスが悪化する現象*2が発生していました。
この現象はCBでメイン基板が交換されて以降も引き続き発生していました*3が、Rootageになり解決するためのハーネスが公式から配布された*4ため、皿が極端に飛ぶような現象は原則として発生しないようになっています。
稀に交換されてない店舗がある模様なので、白扉筐体をプレイする際はSUD+調整して確認してみるといいかも…

鍵盤入力の方も基板の性能が良くない為か、判定がブレる現象が多発しており、スコア狙いでは避けられる傾向が強い筐体となっていました。
この現象はCBでの基板交換で改善されています。

10th筐体

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▲10th筐体(SPADA液晶) 以降の筐体の扉部分は黒色になっている

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▲10th筐体以降のコンパネ部*5 赤丸部分が2004になっていることが伺える

製造時期:10th~13 DistoteD(2004年~2006年)
型番

GQD01-JA:10th
GQE11-JA:11 IIDX RED
GQECO-JA:12 HAPPYSKY
GQFDD-JA:13 DistorteD

搭載基板:D01
外見上の特徴:筐体下部にある扉の色が黒色・コンパネにあるアイコンの右上にある年数表記*6が2004・カードリーダー下部の注意書きシールが白色*7

10th以降DistorteD(以下DD)まで生産された筐体です。
LMが出るまではここまでの筐体を旧筐体として扱う事が多いです。

前項で説明したスクラッチ信号の入力はこの筐体(D01基板)からメイン基板に直接入力するように変更になっております。
基板性能が良くないのは変わらずで、この筐体でも鍵盤を含めた判定ブレが発生していました。
GOLDが出た直後は新規製造された筐体と旧筐体で判定が違うという問題がありましたが、これは同バージョン中にアップデートで是正されています。

このグループでの基板による差は稼働不可なバージョンがあることで、基本的に製造されるより前のバージョンは動かないようになっている模様です。

GOLD筐体

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▲GOLD筐体(DJT液晶)

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▲カードリーダー部の注意書きシール(黒地のもの)

製造時期:14 GOLD~17 SIRIUS(2007年~2010年)
型番

GQGLD-JA:14 GOLD
GQHDD-JA:15 DJ TROOPERS
GQIOO-JA:16 EMPRESS

搭載基板:IO-2(R)
外見上の特徴:筐体下部にある扉の色が黒色・コンパネにあるアイコンの右上にある年数表記*8が2004・カードリーダー下部の注意書きシールが黒色*9

GOLD以降に製造された筐体です。
これ以降LMまでに製造された筐体を新筐体として扱う事が多いです。

基板の性能が向上したことと、USBの規格が2.0ベース*10になったことにより鍵盤及びスクラッチ入力の判定ブレが改善されており、多くの人が理想とする筐体となっています。

Resort Anthem筐体

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BOSE製の高品位スピーカーが取り付けられたRA筐体
 基本スペックはGOLD準拠

製造時期:18 Resort Anthem~19 Lincle(2010年~2011年)
型番
:GQJDZ-JA

搭載基板:IO-2(R)
外見上の特徴:サイドスピーカーがBOSE製の高品位スピーカーに変更されている

Resort Anthemにて製造された筐体です。
基板面での変更は無いものの、RA時代はスクラッチの反応が他の筐体より良いものになっていました。
外見でもサイドスピーカーが高品位のもの*11に変更されており、変化がひと目見てわかるものになっています。

tricoro筐体

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▲比較的大規模な変更があったtricoro筐体
 カードリーダーが埋込式になったことが以降の筐体での特徴となる

製造時期:20 tricoro(2012年)
型番
:GQLDJ-JA

搭載基板:IO-2(R)
外見上の特徴:カードリーダーがコンパネに埋め込まれている・スピーカーがJBL製のものに変更・コンパネのボタン類はGOLD筐体以前と同じ形態(丸みが帯びていない)

tricoroにて製造された新筐体です。
この筐体を導入した店舗に限り、tricoroが1週間程先行で稼働することが可能になっていました。
2020年現在、このような取り組みはtricoroが最初にして最後の例となっています。

外見にも変化が見られ、カードリーダーがコンパネ部に埋め込まれておりサイドがスッキリした印象になっています。
スピーカーが従来のBOSE製からJBL製「Control 1 PRO」に変更されており、これ以降でスピーカーを交換したごく一部の旧筐体がJBL製を搭載している場合があります。(これらはカードリーダーの位置で判別可能)
音質はBOSEに比べると若干劣る印象があります。密集してると聞こえづらい…

鍵盤及びスクラッチのレスポンスは新筐体に準拠しています。

SPADA筐体

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▲(やや分かりづらいが)SPADA筐体(PEN液晶)
 コンパネ部分のボタンが丸みを帯びている

製造時期:21 SPADA~22 PENDUAL(2013年~2014年)
型番
:GQLDJ-JB

搭載基板:IO-2(R)
外見上の特徴:コンパネのボタン類が丸みを帯びている

SPADAでも引き続き*12tricoro筐体準拠の筐体が生産されてましたが、コンパネ部のボタン類が丸みを帯びたものに変更されています。
LEDセグメントの部分も従来のものより太めのものに変更されており、tricoro筐体のマイナーチェンジ版という印象です。

copula筐体

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▲copula筐体
 スピーカーがYAMAHAの製のものになっている

製造時期:23 copula~26 Rootage(?)(2015年~2018年)
型番
:GQLDJ-JC

搭載基板:IO-2(R)
外見上の特徴:サイドスピーカーがYAMAHA製のものに変更

copula稼働中の2016年春頃、KONAMI系の音ゲーが原則設置されていなかったSEGA系列が主に導入した筐体になります。
基本的にはSPADA筐体を踏襲しつつ、スピーカーをYAMAHA製「VS6」に変更しており、音質問題は改善しています。

以降LMまでに生産されていた筐体はこの筐体がベースとなっていますが、SEGA系列以外では滅多にお目にかかれない筐体となっており、一部では「SEGA筐体」と表記されることがあります。

LIGHTNING MODEL

詳細はLIGHTNING MODL解説記事にて

終わりに

CBのときの基盤交換で筐体差の是正がされた為、以前に比べて筐体そのものを選ぶ事の意義は薄まったように感じます。
LMの登場により筐体間格差がまた発生してしまっていますが、あれは見た目が違いすぎるのでそこまで問題ではないと思います。あとは個人で適応できるかどうか

この記事で少しでも筐体のことについて理解を深めていただけたなら幸いに思います。

 

当記事は以下のページを参考・一部引用しました。御礼申し上げます。

AtomicAgeより
・[IIDX]筐体の種類について
http://www.atomic--age.net/topics/columns/iidxcabinet
人間の限界に挑戦する頭脳・肉体複合ゲームより
beatmania IIDX 25 CANNON BALLERSの新PCBと新I/Oについて
 
http://bmtetsugtovvvf.blog.fc2.com/blog-entry-49.html 
beatmania IIDX 26 Rootage 公式から初代筐体向けに皿-I/O基板直結ハーネス配布
 
http://bmtetsugtovvvf.blog.fc2.com/blog-entry-54.html
きょうたいぐらし!様発行「筐体の子」(C96発行)より
beatmania IIDX 筐体の中をみてみよう!(kururusky様執筆記事)

 

IIDX筐体紹介系記事

  • 筐体について:当記事
  • 液晶について:液晶編

*1:IIDX stereo

*2:SUD+調整中に突然ぶっ飛んだりする現象

*3:サブ基板は交換されなかった為

*4:CB時代に自力で対応した店舗も少ないながら存在していた

*5:写真はGOLD筐体

*6:IIDX stereo

*7:稀に白色のものでもGOLD筐体の可能性がある

*8:IIDX stereo

*9:10thとは逆に、稀に黒色のものでも10th筐体の可能性がある(シール交換を行ったときに変わってしまった事が想定される

*10:初代及び10th筐体では1.1ベース

*11:201V

*12:厳密にはtricoro末期から