【IIDX】beatmania IIDXの液晶モニタについて

当記事はブロマガ時代に書いた記事を転載、修正したものになります。
個人の主観を含んだ記事となりますのでご注意下さい。

2020.01.23 初版
2020.02.04 画像追加
2021.10.16 ブラウン管について追記
2022.10.20 RESIDENTでのFHD対応について追記

beatmania IIDXの液晶モニタについて

種類について

大まかに分類すると以下の10通りに分類されます。

  • リアプロジェクションTV(以下リアプロ)
  • ブラウン管(CRT)
  • DJ TROOPERS液晶(以下DJT液晶)
  • EMPRESS液晶(以下EMP液晶)
  • tricoro液晶
  • PENDUAL液晶(以下PEN液晶)
  • CANNONBALLERS液晶(以下CB液晶)
  • LIGHTNING MODEL
  • 韓国向け液晶*1
  • 非純正液晶

この内、初代モニタであるリアプロ(40型)及びブラウン管は、現役バージョンでは現存する筐体が存在しません。(IIDXマップ:統計情報より)
(リアプロで最後まで現役で残ってたのは、ゲームインファンファン玉川店(閉店済)の筐体と思われます)
旧作台としては2019年秋頃、石川県にある「ゲームセンターベティ」様がリアプロTVの入手・復元に成功し、現在も国内唯一の稼働店舗・筐体となっています。
(因みにSD設定で最新作も動作するみたいです)

当記事では国内で現存しているCRT~CB液晶までの特徴及び傾向を記述していきます。
なお、以下のモニタはそれぞれ別対応とさせていただきます。

  • リアプロ及び非純正液晶は、最後に番外編として記述します
  • LIGHTNING MODEL及び韓国向け液晶に関しては当記事では取り扱いません(LMに関しては別記事にて)

ブラウン管(CRT)モニタ 

サイズ:36インチ 

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▲銀枠が特徴的なブラウン管モニタ。経年劣化すると右のように色合いがおかしくなる
 SD画質と経年劣化からか、現在はほぼ絶滅してしまった

9th以降、GOLDまで(?)に製造されていた純正ブラウン管モニタです。
液晶と比べると一回り小さいです。普段液晶でリフト使ったりしてるとちょっと気になるかもしれません。
ブラウン管なので遅延の少なさがピカイチです。GOLD筐体と組み合わせたら押せば光ります(やや誇張してる)
難点はどんなに新しいものでも10年以上経っており、経年劣化が激しく(RGBの特定色が落ちたり輝度低下など)プレイがままならない状態のモニタが多いことです。

CANNONBALLERSでの基盤交換の際に、このCRTモニタが搭載された筐体は交換されなかったものも多く、経年劣化も合わさり現行バージョンで現存する筐体はIIDXマップを見る限り13台*2絶滅危惧種となっています。

また、撤去が進んだ現状もあり、29 CastHourでSD設定自体が削除されている為、現行作では原則として稼働不可能となってしまいました。

2020年現在、残存している筐体は下記の店舗となっております*3

2021/03/24追記:最後まで残っていた1台が交換され、国内で現行作をプレイ可能なCRT筐体は一旦消滅しました。

2021/10/16追記:10月頃に稼働停止していたベティの筐体が稼働再開されました。(コンバートして無理やり動かしている様子)

最終更新:2021/10/16
稼働数:1台

 

DJ TROOPERS液晶

型番:GUHDD-JB
サイズ:37インチ FHD非対応
特徴:液晶下の注意書きシールが黒色

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▲DJT液晶。下のシールが黒字なのが特徴

純正で初めて生産された液晶モニタです。注意書きが黒シールなのが特徴的です。
最初の液晶とのことで今は敬遠されそうですがむしろ逆で、純正液晶の中では遅延が一番少なめかつ非常に見やすく評判のいい液晶となっています。

こちらも生産から10年以上経過しておりますが、後述のtri液晶等より耐久性が良いのか比較的お目に掛かりやすい液晶となっております。


EMPRESS液晶

型番:GUI00-JB(EMPRESS) GUJDZ-JB(ResortAnthem)
サイズ:37インチ FHD非対応
特徴:液晶下の注意書きシールが白色*4液晶がやや白みかかってる(EMP液晶のみ)

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▲EMP液晶 下のシールが白字のものに変化している

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▲RA液晶(RA筐体) 確実な判別手段は裏面の型番を見るぐらいしかない

二番目に生産された液晶で、やや白み掛かっており若干見づらい液晶となっております。遅延もDJT液晶に比べて少し増えている模様ですが、遅延はさほど気にならない程度だと思います。
ResortAnthemで筐体が生産された際に載せられた筐体*5は型番が変更されておりますが、中身はEMP液晶とほぼ変わらない模様です。
ただしEMP液晶に見られる白みがかかる現象は見受けられません。

tricoro液晶

型番:GULDJ-JC(tricoro) GULDJ-JG(SPADA)
サイズ:37インチ
特徴:液晶に光沢がかかっている
特徴(SPADA):光沢に加え、下段フレームにネジが追加*6されている

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▲tricoro液晶の図。若干反射している

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▲SPADA液晶(SPADA筐体)

tricoro新筐体に最初に搭載されていた液晶で、後に置き換えられた一部筐体でもお目にかかれる液晶です。
所謂新液晶はこの液晶を指すことが多いです。

以降の液晶全てに言えますが、出荷時状態だとデフォノーツですら黄色み(金?)を帯びたり黒鍵が眩しかったりと認識難を起こしやすく、調整必須の液晶となっております。
SPADA液晶はデフォ設定がより見づらくなってます。
遅延自体はDJT・EMP液晶とそれほど差は無いように思えます。

比較的新しめの液晶ですが耐久性に問題があるようで、後述のPEN液晶に置き換わっている物も数多く存在しています。

PENDUAL液晶

型番:GULDJ-JI(PENDUAL) GULDJ-JJ(copula*7 )
サイズ:42インチ(表示は37インチ)
特徴:左右の黒縁フレームが無くなっている

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▲copula筐体の液晶。左右の黒縁がなくなっている

PENDUAL稼働中に突如として現れた新型液晶。
copula筐体に乗っている液晶は恐らく全てこの液晶となっています。

光沢はあるもののtri液晶に比べるとやや抑えめになっております。
この頃になると全てのメーカーで37インチの液晶が製造終了しており、代替策として42インチの液晶を採用し、ゲーム画面を37インチに縮小表示する処理を別の基盤で行っております。

この別基盤によるスケーリング作業が原因なのか、PEN液晶では遅延が他のものに比べてかなり大きく出ており、当初は専用の設定*8を入れないと液晶差が大きく出てしまう(遅延する)代物となっていました。一部では産廃呼ばわりも…
またtri液晶で可能だったバックライトの輝度調整が不可能となっており、デフォ設定では非常に眩しいのにも関わらず調整が難しい液晶となってしまいました。
更にはムービーの明るさに応じて、画面全体のコントラストが自動調整されてしまう仕様が存在しています。

これらの問題点はエビオ様のブログに詳しく記事が書かれていますので、そちらもご参考下さい。

copula筐体との相性は抜群なものの、載せ替えた筐体では判定ブレや、前述の専用設定も相まってプレイ感が大きく異なってしまう液晶となってしまいました。
Rootageになり筐体側に液晶の自動調整機能が追加され、他の液晶との差はだいぶ埋まってきたものの、依然として液晶自体の出来が良くなく敬遠するプレイヤーも多く存在しています。

CANNON BALLES液晶

型番:LDJ-MA014-JA
サイズ:42インチ(CANNONBALLERS) 43インチ(Rootage)*9
特徴:左右の黒縁フレームがない、上下の銀フレーム幅が狭い、注意書きシールが右下の平面に配置されている、液晶が奥まって配置されている
特徴(Rootage):上記に加え、下段フレームにネジが3本追加されている

▲CB液晶 フレーム幅が狭いのと、やや奥まった配置が印象的

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▲Rootage液晶 何故か1インチ大きくなった
 型番が同じく判別が難しいが、こちらはtri-SPAでの相違と同じく下部フレームにネジが追加されている


CANNONBALLERS(以下CB)になり、PEN液晶の不評を受けてか42インチフルサイズで出力できる液晶が新登場しました。
出力サイズが大きくなった為、従来の液晶よりやや奥側に配置して違和感を小さくする工夫がなされています。
上下フレーム幅もかなり小さくなっており、液晶の注意書きシールが右下の平面に移動しています。

tri液晶から引き続き画面に光沢処理されていますが、画面の大きさに相まって光沢が若干強く感じられます。
慣れは必要ですが、慣れればスコアは狙いやすくなると思われます。

Rootageで出荷された液晶はサイズが1インチ大きくなっている模様です。

LIGHTNING MODEL

型番不明
サイズ:43インチ

詳細はLIGHTNING MODL解説記事にて。

番外編

非純正液晶


▲過去にはこんな筐体も存在した(東京・亀有のゲーセン 現在は撤去・閉店済み)
 なお判定は当時の腕*10でもわかる程度に死んでいた模様


純正液晶が何らかの理由*11で導入できず、店舗独自で液晶を調達して載せ替えているものも多数存在します。
以前は判定合わせがままならずまともに遊ぶ事が出来ずに敬遠されがちでしたが、tricoroで導入された判定調整機能のおかげで比較的遊びやすくなりました。
稀にHD出力出来るのにSD出力されている筐体もありますがまぁご愛嬌で。

一律で非純正液晶を導入しているゲーセン系列も数少ないですが存在*12しています。

リアプロジェクションTV

型番:40Z1P
サイズ:40インチ

IIDX稼働初期は東芝製のリアプロジェクションテレビを使用していました。
明るいところだと見づらいという欠点があった模様ですが、筆者は現物を触ったことがなく詳細不明です。

先述の通り、ファンファン玉川店に設置されていた筐体が、tricoroにアップデートするに当たりtri液晶に換装されたのを最後に設置店舗がない状態が長く続いており絶滅したものと考えられていました。
ところが、2019年秋頃にゲームセンターベティ様がリアプロ液晶を復元させ、旧作台として現在も稼働している模様です。機会があったら見に行きたい。

液晶設定について

tricoroでHD化されて以降、HD出力できないブラウン管向けにSD画質で出力する設定が別々になりました。
また、copulaではPEN液晶の遅延設定に対応する設定が追加され、CBまで3タイプが任意で変更可能となっていました。

  • SD設定→ブラウン管用の640x480設定 ※29 CastHourで削除
  • HD設定→液晶用の1280x720設定
  • HD*設定→PENDUAL(copula)液晶用の1280x720設定。通常のHD設定に比べ判定に補正がかかる(沈む) (※26 Rootageで削除)

Rootageで液晶の自動判別・調整機能が追加され、HD*設定が消滅しています。
同作以降もBISTROVERまでは液晶タイプの変更は任意で可能となっており、HEROIC VERSE稼働初日に変更してバグを回避する荒業が使われたりしました。

終わりに

CBで筐体の基盤による差が少なくなった事により、筐体差は事実上液晶のみとなっております。
本来このような見た目でわからないような筐体差は、メーカーの方で何らかの表示がされてもいいように思えますが…長く稼働してるから仕方ないのでしょうか。
LIGHTNING MODELが導入され、筐体差が縮小されどこでも遊びやすい環境が作られる事を筆者は願っています。

 

当記事は以下のページを参考・一部引用しました。御礼申し上げます。

beatmania IIDX ゲームセンターマップ
https://2dera.net/iidx_map/
AtomicAgeより
・[IIDX]筐体の種類について
http://www.atomic--age.net/topics/columns/iidxcabinet
人間の限界に挑戦する頭脳・肉体複合ゲームより
IIDX筐体の液晶判別方法
http://bmtetsugtovvvf.blog.fc2.com/blog-entry-6.html
・PENDUAL液晶,copula液晶について
http://bmtetsugtovvvf.blog.fc2.com/blog-entry-39.html
・42インチ新型液晶出荷開始
http://bmtetsugtovvvf.blog.fc2.com/blog-entry-53.html
kururuskyより
弐寺 DJT液晶とPENDUAL液晶
http://kururusky.com/?p=1458
きょうたいぐらし!様発行「筐体の子」(C96)より
beatmania IIDX 筐体の中をみてみよう!(kururusky様執筆記事)

IIDX筐体紹介系記事

  • 筐体について:筐体編
  • 液晶について:当記事

*1:LG/SPEED TECHNOLOGY製42型液晶モニタ

*2:統計上は少し多いが、旧作稼働台が入ってるのでそれを除外した数値 劣化して使いものにならないものがあると考えると、実数はこれよりはるかに少ない

*3:IIDXマップから抜き出しましたが、長い間更新されていないところも多く実際に設置されているかは不明

*4:DJT液晶以外の全てに当てはまる

*5:RA筐体。スピーカーがBOSE製の大型

*6:5本

*7:後期PENDUAL液晶と呼ぶ場合もある

*8:HD*設定。詳細は筆者のブロマガ記事を参照

*9:サイズ違いなものの型番は一緒

*10:SP九段

*11:大体は金銭的都合だと思われる

*12:千葉県のラッキー系列